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●マイルス・デイヴィスの歴史的名盤『ビッチェズ・ブリュー』のカッコよさを伝えたい。
ジャズの歴史的名盤であるマイルス・デイヴィスの『ビッチェズ・ブリュー』ですが、
「良さがわからない」
「暗い」
「長い」
などの感想をよく聞きます。
この声は同業者の中でもあって、
「初期のマイルスは大好きだけど、ビッチェズ・ブリュー以降のいわゆるエレクトリック・マイルス期は苦手」
という人が僕の周りでは多いです。
僕は新しもん好きなので最近の音楽をよくチェックするのですが、たくさん聴いてるとどうしても飽きてくる時があります。
その時は古い音楽を聴くと逆に新鮮さや新しい発見があったりします。
そういう時は必ずと言っていいほどこの『エレクトリック・マイルス期』のレコードをよく聴くんですね。
この時期のマイルスの曲、とくにビートは、
『これから先の未来に流行するリズムが全て入っている。これは音楽の”予言書”のような物なのだ。』
と言われているのです。
↑いや、ていうかオレが言ってるだけなんだけど、割と本気でそう思っています!
この『ビッチェズ・ブリュー』は何がそんなに革新的だったかと言うと、僕は評論家じゃないしジャズに物凄く詳しいわけでもないので詳しい解説はできません。
でも僕はもともとP.I.LやCAN(KANじゃないよ!)など、ビッチェズ・ブリューに影響を受けた(と思われる)ばんどの音楽を聴いていたので、ビッチェズを初めて聴いた時は1発でヤラれてしまいました。
しかしあえて、
「このアルバムの凄いところはなんだろう?」
と考えてみると、まずプロデューサーのテオ・マセロが、
『ベストテイクな部分のテープをカットして貼り付けて構成している』
という部分が挙げられると思います。
これはヒップホップやテクノなどの音楽にかなり近い音楽の製作方法で、現代はコンピュータでやるところをアナログテープでやったところが凄い。
それまでもビートルズが同じ方法で音楽製作をしていたので世界初ではないですが、「ジャズ」というジャンルでそれをやったのは当時ではかなり異例だったんじゃないでしょうか?
リリース当時は賛否両論の嵐が吹き荒れたようですがそれも理解できます。
あとはひたすら『ワンコード』で展開していく曲が多いので、この辺が「変化がなくて退屈だ」と言われる所以なのかもしれないです。
しかしこの後70年代後半以降に出てくるダンスミュージックの多くは同じフレーズが『ループする』物が主流になるので、ここでもこのアルバムが時代を先取りしているのがわかります。
あとこのアルバムについてよく言われるのが、
『ジャズにロックやファンクの要素を盛り込んで”フュージョン”というジャンルの元祖になった』
という評価ですが、はっきり言って僕にはコレが『フュージョン』には聴こえないです(笑)
後に『ウェザー・リポート』などのフュージョンを代表するバンドを結成する人たちが参加メンバーに居るので、そう言われてるんじゃないかと思います。
僕のこのアルバムへの個人的な感想は、
『ジャズにもロックにもファンクにも聴こえる瞬間があるけど、全体的にはジャズにもロックにもファンクにも聴こえない』
コレです。
これがこのアルバムのオリジナリティの正体ではないかと。。
ここ最近はこの時期のマイルスしか聴いてないので、想いが溢れてしまったので書かせて頂きました。
この時期のマイルスは『ドラムンベースとしか思えない曲』などもあってとても面白いです。
まあいろいろ書きましたが、とにかくこれは間違いなくカッコいいアルバムなので、まだ聴いたことない人はぜひ聴いてほしいと思います!
RIKU
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■NEW SINGLE■
『It’s Not True(Japanese Ver.)』
『It’s Not True(English Ver.)』
●Release On
iTunes、Apple Music、Spotify、LINE MUSIC、AWA、etc…
■NEXT LIVE■
10/25(木) @下北沢ERA
『久樂 陸とPE-の都市伝説トークライブ Vol.8』
*詳細、チケット予約はこちらからどうぞ。
http://logeq.jp/wp/live
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